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東京マラソン2020 招待選手とレース見所(展望)

いよいよ今度の日曜日、3月1日に東京オリンピックの男子マラソンの残り1枠の代表選考会を兼ねた東京マラソンが行われることに伴い、招待選手の中の注目選手および選考レース展望を紹介します。
※レース展望は独自の視点によるものなので、実際との相違についてはご了承ください。

注目選手プロフィール

東京マラソンは平坦なコースであり記録も出やすいコースであることから、招待選手以外にも有望な選手が多くエントリーしています。招待選手とそれ以外のエリート選手の中から特に、5人の選手に注目しています。

★大迫 傑(おおさこ すぐる)
所属:Nike
身長:170㎝
ベストタイム:2時間5分50秒(日本最高記録)
MGC成績:3位
プロフィール:ご存知の通り、男子マラソン現日本記録保持者にして、現役最強ランナー。日本長距離界のエース。5000mの日本記録保持者です。前回のリオデジャネイロオリンピックでは5000mと10000mの2種目で出場しています。代表3人目に最も近いランナーの一人と言えます。

★設楽 悠太(したら ゆうた)
所属:Honda
身長:174㎝
ベストタイム:2時間6分11秒
MGC成績:14位
プロフィール:男子マラソン前日本記録保持者。大迫選手とともにリオデジャネイロオリンピック10000m代表。ハーフマラソン日本記録保持者。大迫選手と並んで、代表に限りなく近いランナーの一人です。

★井上 大仁(いのうえ ひろと)
所属:MHPS
身長:165㎝
ベストタイム:2時間6分54秒
MGC成績:27位
プロフィール:現役選手の中で、設楽悠太選手に次いで6分台の記録を持ち、2018年のアジア大会にマラソン日本代表として出場し、金メダル獲得。MGCでこそ27位に終わったが、実力は十分。

★佐藤 悠基(さとう ゆうき)
所属:日清食品グループ
身長:179㎝
ベストタイム:2時間8分58秒
MGC成績:23位
プロフィール:長い間日本長距離界を牽引してきている大ベテラン。国際大会の経験は豊富で、5000mや10000mでは長年、世界選手権、アジア大会などの日本代表を務めてきた。ラストスパートのスピードは出場選手の中でも群を抜いています。

★橋本 峻(はしもと しゅん)
所属:GMOアスリーツ
身長:170㎝
ベストタイム:2時間9分29秒
MGC成績:5位
プロフィール:大学駅伝の名門、青山学院大学出身だが、故障などで箱根駅伝の出場は果たしていない。青山学院大学卒業後、原進監督がスーパーバイザーを務めるGMOアスリーツに所属し、実力をつけ、成績上昇中。MGCでも5位に入る検討をし、代表候補に名乗りを上げています。

レース展望

男子選手はMGCに31名出場するなど有望選手が多く、東京オリンピックにかける思いは誰も強いものがあり、誰がどんなレースをしてくるか予想しづらい面がありますが、これまでのレース展開等を鑑みて、展開と見所を予想してみたいと思います。

設定タイムは?

なんと言っても大迫選手の持つ2時間5分50秒という日本記録を破ることが出場権を勝ち取る絶対条件となります。MGC3位がその大迫選手なので、現時点では大迫選手が3人目の権利を持っています。

ペースメーカーは2種類の速度設定で走ることがわかっています。海外の招待選手のベストタイムは2時間2分台および3分台ですので、1つめの設定タイムは2時間2分台を狙うタイムになります。そして2つ目の設定タイムが日本記録を上回る設定タイムである2時間5分30秒前後のタイムとなります。

日本人の多くの選手は2つめの設定タイム2時間5分30秒前後のペースメーカーについてレースを行うはずです。しかし、海外招待選手のために設定する1つめの設定タイムのペースメーカーについて走る選手が何名かいることが想定できます。設楽悠太選手は2時間4分台でないと東京オリンピックに出る意味がないと言っています(2月26日)。したがって、設楽選手は間違いなく、こちらのペースにつきます。これまでの彼のレース姿勢からもそう言えます。

超高速混戦レースに期待

そこが設楽悠太選手の持ち味です。MGCでも一人で飛び出しましたが、彼はこの東京でもその姿勢を崩さないでしょう。彼のレーススタイルは最初からハイペースで突っ込み、粘りの走りで記録を出すというものです。

MGCは暑さで後半ペースダウンしましたが、気温が低ければそのまま逃げ切っていた可能性もあると瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトマネージャーが言っていたほどです。

2つめのペースも従来ならばかなりのハイペースですが、今回はこのペースから脱落すれば、オリンピック出場はないとみていいと思います。したがって、オリンピック出場を目指しているほとんどの選手がこのペースで集団を形成することになります。

平坦で、比較的風邪の影響を受けにくい東京マラソンは1週間後に行われる「びわ湖毎日マラソン」より好タイムが出ることを期待して出場してくる選手が多いと思われます。そのため、熾烈な代表争いとなり、数名が最後まで競るような展開となるでしょう。

大迫選手の位置取りがカギ

MGCのときは、飛び出した設楽悠太選手を除き、ほとんどの選手が大迫選手マークでしたが、今回もその可能性が極めて高いと思われます。理由は明白で、日本記録保持者であること、現時点で代表3人目の権利を得ていること、実力も十分であることが理由です。

MGCのときも大迫選手は他の選手がマークしていたことを意識していて、それにもかかわらず、集団の前の方でレースをしていたことにより、体力の消耗が大きく、ラストスパートの力がなくなっていたようです。トップ選手ですからメンタルからくる体への負担も大きいということでしょうか。

したがって、大迫選手は2つめの設定タイム(2時間5分30秒前後)の集団の中盤から後半にかけての位置どりをすると想定されます。大迫選手はラストのスプリント力には定評のある選手で、実際にもラストスパートは強いです。そのため、自分で設定したタイムを考慮しながら、レース全体を俯瞰的にみて組み立てるのが濃厚と考えます。立場的にそれができる位置にいますので・・・。

 

設楽悠太選手の飛び出しに注目!逃げ切りの可能性は?

前述した通り設楽選手はほぼ間違いなく海外招待選手の中に入って一緒に走ります。そのため悠太選手のコンディションと当日の気候によってはそのまま逃げ切ることも考えられます。十分にあり得ます条件さえ整えばMGCのような失速はないと思います。そして、彼が前日本記録を出したのもこの東京マラソンです。相性の良いコースですので期待できます。

しかし、今回はそう簡単ではないはずです。2つめの設定タイムで走る選手も設楽選手とのタイム差をコーチや観客から知らされると思うので、ある時点でのタイム差により、設楽選手を追いかけます。そのタイミングは各々の選手の考えややタイム差により予想は難しいですが、そのような展開になれば見応えは増します。

その他の有力選手

大迫選手と設楽選手が中心のレース展開は言うまでもありませんが、ダークホースとして橋本峻選手に期待したいです。MGCで5位に入る検討を見せており、他の著名な選手の中にあって目立たず、地味でありながらしっかりと粘る選手なので、個人的には面白い選手だと思っています。上記理由により、注目選手の一人として名前を上げています。

先日のハーフマラソンで日本最高記録を出した小椋祐介選手(ヤクルト)も調子が良いとみれます。期待のできる選手の一人です。

そのほかにもMGC出場者である園田隼人選手(黒崎播磨)、村山謙太選手(旭化成)、山本憲二選手(マツダ)といった有力選手も目白押しです。

最後に勝つのは?

冒頭でも記載した通り、有望選手が多いのがこの大会です。正直なところ誰が買っても小越くはありません。男子マラソンはナイキのシューズ(ウェーバーフライ)のおかげなのか、箱根駅伝を含む大学駅伝、都道府県対抗駅伝、全国高校駅伝、その他のハーフマラソンやマラソン大会でも新記録・高記録続出となっており、今までにない高速化が進んでいます。

したがって、記録という面ではかなり期待できると思います。今回の東京マラソンでは当然のことながら日本最高記録が期待できます。

そうした中で、やはり、大本命は大迫選手です。理由は安定した走力があること。実績が十分あること。ラストのスプリント力があること。などです。

最後に確認ですが、東京オリンピック代表の1枠は3月8日に行われる「びわ湖毎日マラソン」の結果次第で決まりますのでご承知おきください。

大会情報

最後に大会情報を整理しておきます。

大会名称:東京マラソン2020
兼マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ
〜東京2020オリンピック日本代表選手選考競技会〜
兼アボット・ワールドマラソンメジャーシリーズVIII
開催日時:2020年3月1日(日)マラソンスタート時間 9:10
コース:東京都庁前(スタート)〜東京駅前行幸通り(ゴール) 42.195km
放送:フジテレビ系全国ネット

最後までお読みいただきありがというございました。

女子の選考レースはこちら⇒名古屋ウィメンズマラソン2020出場選手およびレース展望