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女子マラソン オリンピック代表 内定選手紹介 活躍予想

昨年、2019年9月に行われたマラソングランドチャンピオンシップ(以下、MGC)にて1位と2位に入った選手および、その後の日本陸上競技連盟指定の大会で2時間22分22秒を切った選手の内、最も早い記録を出した選手の1名を加え、代表枠3名が決定しました。

そこで、その代表3名を紹介したいと思います。是非名前を覚えていただき、東京オリンピックではみんなで応援しましょう。

その3名は、MGC1位の前田穂波選手(天満屋)、MGC2位の鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)、名古屋ウィメンズマラソンで決定し一山麻央選(ワコール)です。

オリンピックで期待できるポイントを個人的な目線で書かせていただきました。ご了承ください。

前田穂波 選手

出典元:日本陸上競技連盟HP

プロフィール

名前:まえだ ほなみ
身長:166㎝
所属:天満屋
出身:兵庫県
出身校:大阪薫英女学院高校
ベストタイム:マラソン(2時間23分48秒)
ハーフマラソン(1時間9分8秒)
1000M(32分13秒87)

出典元:日本陸上競技連盟HP

レース成績

2017年 大阪国際女子マラソン 12位(2時間32分19秒)初マラソン
2017年 北海道マラソン 優勝(2時間28分48秒)
2018年 大阪国際女子マラソン 2位(2時間23分48秒
2018年 北海道マラソン 2位(2時間30分56秒)
2019年 マラソングランドチャンピオンシップ(MGC) 優勝 2時間25分15秒

経歴その他

高校駅伝の名門、大阪薫英女学院高校の出身。しかし、高校時代は決して輝かしい成績を残している訳ではありません。全国高校駅伝において前田選手が在籍していた2012年から2014年の大会では、大阪薫英女学院高校は5位、8位、優勝と好成績を残していますが、前田選手は3年間とも補欠でした。

3年生の時には高校総体の大阪府大会1500mで優勝こそしていますが、それ以外の目立った成績は残していません。高校の1年先輩には今年の大阪国際女子マラソンで優勝した松田瑞生選手(ダイハツ)、2年先輩には大森菜月選手(ダイハツ)がいます。

想像するに、高校時代はかなり悔しい思いをしてきたのではないでしょうか。今の前田選手の強さはそこから来ているというのも理由の一つではないでしょうか。

オリンピックでの期待ポイント

前田選手は長身の選手の特徴である大きなストライドが持ち味です。ゆったりとしたフォームで、見た目は力強さは感じられませんが、安定感があります。競技場の中やゴール近くでラストスパート勝負という感じではなく、周りの選手のスピードが落ちてきたところを見計って、スーッと前に出ていく、もしくはロングスパートをかけるといった感じの勝負スタイルではないでしょうか。

現に、MGCでは暑さの中、周りの選手がペースダウンする中、一人でスーッと前に出てそのまま大差で独走して勝ちました。

オリンピックでは、外国の選手(特にアフリカ勢)で形成すると思われる先頭集団に後ろの方でついていき、ロングスパートをかけるといった形でレース運びをすると勝機があると思います。そのためには、外国選手のラストスパートについていけるだけのスピードが必要になります。

是非、スピードを鍛えて、オリンピックで好成績を残していただきたいと思います。

鈴木亜由子 選手

出典元:日本陸上競技連盟HP

プロフィール

名前:すずき あゆこ
身長:154㎝
所属:日本郵政グループ
出身:愛知県
出身校:名古屋大学、時習館高校
ベストタイム:マラソン(2時間28分32秒)
ハーフマラソン(1時間9分8秒)
1000M(32分13秒87)

レース成績

2018年 日本選手権 10000m 2位(31分57秒82)
2018年 北海道マラソン 優勝(2時間28分32秒
2019年 MGC 2位(2時間29分2秒)
2019年 日本選手権 10000m 2位(31分46秒25)
2019年 香川丸亀ハーフマラソン 2位(1時間7分54秒)

出典元:日本郵政グループ陸上部HP

経歴その他

鈴木選手は、中学生の時にはその才能の片鱗を覗かせており、全国中学区総体では800mと1500mの2種目で優勝し、全国都道府県対抗女子駅伝でも中学生の走る区間で2年連続区間賞を獲得しています。しかし、高校生の時には故障やケガなどの影響で、目立った成績は残せませんでした。

名古屋大学に進学した後は、その実力を発揮し始め、世界ジュニア陸上選手権やユニバーシアードの日本代表に選ばれ、1000m、5000mで入賞やメダル獲得などを果たしています。

社会人になってからは、2015年に5000mで世界陸上選手権に日本代表で出場し、9位になったのを皮切りに、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは10000mと5000mの2種目で日本代表に選出されています。残念ながら、直前の怪我の影響により、オリンピックでは結果が残せていません。

その他、実業団駅伝や都道府県対抗駅伝などで活躍し、女子長距離界のエースといっても良いほどの選手となっています。そんな鈴木選手がフルマラソンに挑戦したのは2018年の北海道マラソンが初めてで、初マラソン・初優勝と華やかなマラソンデビューを果たしています。

オリンピックでの期待ポイント

マラソン経験が少ないながら、MGCで2位に入り、オリンピック代表内定を勝ち取った鈴木選手。間違いなくこれからまだまだ伸びていく選手だと思います。マラソン経験の少なさからか、MGCでは後半、前田選手に置いていかれ、最後は持ち前のスピードが全く出ない状態になり、小原怜選手に追い上げられ、5秒差まで肉薄されながらゴールし、2位に入りました。

鈴木選手はトラック競技で培った、スピードが持ち味です。そのスピードは女子長距離選手の中でも、有数と言えます。したがって、オリンピックにおいて、もし、ラストのスピード勝負ということになれば、外国人選手相手でも十分勝負できるのではないでしょうか。

ラストのスピード勝負まで持っていくためには、42.195kmに耐えうる持久力・体力の強化が鍵となります。MGCでの後半の失速は、暑さの影響も当然あるでしょうが、フルマラソンの経験の少なさ、そして、十分な体力のなさなどが原因であると推測できます。

ゴール直前まで、スピード勝負できる体力を残しながら、先頭集団の中で走る事ができれば、勝機が出てくると予想しています。十分な体力強化により好成績を残されることを期待しています。

一山麻緒 選手

出典元:ワコール女子陸上部HP

プロフィール

名前:いちやま まお
身長:158㎝
所属:ワコール
出身:鹿児島県
出身校:出水中央高校
ベストタイム:マラソン(2時間20分29秒)
ハーフマラソン(1時間8分49秒)
1000M(31分34秒56)

レース成績

2017年 日本陸上選手権大会クロスカントリー競争 優勝
2019年 東京マラソン 7位(2時間24分33秒)
2019年 ロンドンマラソン 15位(2時間27分15秒)
2019年 MGC 6位(2時間32分30秒)
2020年 名古屋ウィメンズマラソン  優勝(2時間20分29秒) ※日本歴代4位

出典元:日本陸上競技連盟HP

経歴その他

一山選手は社会人になってから実力をつけてきた選手です。鹿児島県の出水中央高校3年生のときに全国インターハイに1500mと3000mに出場こそ果たしていますが、予選落ちに終わるなど、目覚ましい成績は納めていませんでした。

社会人になってから、2年目の2017年に国内のクロスカントリー大会で優勝し、世界クロスカントリー大会の日本代表になりました。さらに、2019年の東京マラソンで日本人トップの7位に入り、実力がついてきたのはこの頃からではないでしょいうか。

この時、東京マラソンでは、わずか33秒ほどMGCの出場権に届かないという悔しい思いをしていますが、わずか2ヶ月後のロンドンマラソンを走り、2試合の平均タイムがMGCの出場条件を満たし、MGC出場を果たしています。

2019年のMGCでは6位という結果に終わりましたが、その後、2020年3月に代表の1枠をかけて出場した名古屋ウィメンズマラソンで雨が降る悪天候の中、素晴らしい走りを見せ、2時間21分29秒という日本歴代4位、国内レース最高タイムを出して優勝し、見事代表の座を勝ち取りました。

オリンピックでの期待ポイント

まだ22歳(2020年3月9日現在)という若さ、そして、フルマラソンの経験も浅いことから、今後も成長が期待できる選手です。名古屋ウィメンズマラソンのレース展開を見る限り、自分よりベストタイムが良い海外選手相手にレース後半で飛び出すところ、とてもハートの強い選手だと感じられます。

全般的なスピードよし、持久力よし、と非常にバランスのとれた選手ですので、アフリカ勢のスピードランナーとも十分競い合える選手だと思います。ですが、アフリカ勢の選手はペースの上げ下げを頻繁に行い、揺さぶりをかけてきますので、その揺さぶりにも動じず、ついていくことのできる実力をつける必要があります。

さらに、スピードに磨きをかけることでどんなレース展開にでも対応できるようになると思いますので、今後に期待したいです。

※出典元を示していない画像の出典元は日本陸上競技連盟のHPです。