暗号資産(仮想通貨)

ブロックチェーンとは?仮想通貨との関係をわかりやすく解説

ブロックチェーンという言葉は、暗号資産(仮想通貨)に関係する言葉としてよく耳にします。

もしかすると、「ブロックチェーン=ビットコイン」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

本記事では、このブロックチェーンについて、その仕組みと暗号資産(仮想通貨)との関係について初心者にもわかるようにわかりやすく簡単に解説します。

ブロックチェーンとは?

技術的定義

一般社団法人日本ブロックチェーン協会の定義によると、

「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
(※出典:https://jba-web.jp/news/642)

初心者には専門的すぎて、理解しにくい定義となっていますので要約すると、

「分散システムであり非常に信頼性が高く、時間が経過しても合意が変わりにくい一連の規則や手続き」となります。

広義的定義

同じく、一般社団法人日本ブロックチェーン協会の定義によると、

「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
(※出典:https://jba-web.jp/news/642)

こちらも専門的用語が多いため理解するには難しいので、要約すると、

「単に取引の記録だけだはなく、一般的なデータの保存や管理においても信頼性を高め、改ざんを防ぐための技術」

この説明でも概念的にはなりにくいかもしれません。そこで、

実務的定義

実際に行われていることを簡潔に要約します。

ブロックチェーンは、「いくつかの取引データをひと塊のブロックにして、暗号化した後、まるでチェーンのようにつなぎ合わせていく取引台帳」のことです。

これを、「分散型取引台帳」と呼び、この技術を「ブロックチェーン技術」と呼びます。

ブロックチェーンの3つの特徴

記録として残すことに優れている

ブロックチェーン上に記録することで、記録したものの存在を証明することができます

 

通常、証明という作業は、第三者が行う必要があります。例えば、運転免許の保有は国家保安委員会によって証明され、居住地の証明は、各自治体の役所によって証明され、銀行への預け入れ残高は銀行によって証明されている、というようにです。

しかし、ブロックチェーン上に記録されているという事実により、第三者による証明が不要になります。

ということは、今まで、各種証明をしてもらうためには、第三者に手数料を支払っていましたが、このブロックチェーン技術を利用すれば、第三者による手間が省略できるため手数料が安くなるもしくは不要になる可能性があります。

改ざんや破壊が難しい

改ざんするためには改ざん以降のチェーン上のデータをすべて改ざんしなければならないことから、改ざんはほぼ不可能(ゼロとは言いません)なものとなっています。

もし、仮に改ざんが行われたとしても、以前の取引データの塊(ブロック)のデータを引き継ぐ形でチェーン上につながっているため、ブロックを遡れば改ざんがわかります。

システム障害による影響が小さい

複数の端末やシステムで情報が保有され、同期がとられるシステム(分散型台帳)であることから、一部のシステムが故障してもシステム全体の運用への影響を抑制することができます。

2023年10月。「全国銀行協会」のシステム障害により、ATMが使えなくなって、送金や支払い、引き出しなどができなくなったということは、記憶に新しい出来事かと思います。

このような障害による影響を排除することが可能な画期的技術と言えます。

暗号資産に欠かせない3つの技術

1つ目の技術(ブロックチェーン)

暗号資産に欠かせない1つ目の技術、それがブロックチェーンです。

ブロックチェーンは、2008年10月、「サトシナカモト」と名乗る人物が「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」と題する論文を投稿し、2009年1月ビットコインの最初のブロックが生成されたのが始まりです。

そのため、「ブロックチェーン=ビットコイン」というイメージを持つのも理解できますが、現在では、ビットコインの誕生をきっかけに生まれたブロックチェーン技術によってさ様々な暗号資産が生まれ、2023年11月現在、約15,000種類に及ぶ暗号資産があると言われています。

2つ目の技術(暗号化)

暗号資産には他にもブロックチェーンと並んで必要不可欠な技術があります。

それが暗号化技術です。暗号化技術にはいくつか種類がありますが、暗号資産に用いられているのは、「公開鍵暗号方式」と呼ばれるものです。

「公開鍵暗号方式」は、「公開鍵」と「秘密鍵」の2つで成り立っています。
公開鍵:第三者に公開する鍵(閉める鍵)
秘密鍵:自分だけが知っている鍵(開ける鍵)

つまり、閉める鍵と開ける鍵を別々にすることで、「開ける鍵」を保有している人だけが、暗号資産を受け取ることができるというものです。

 

公開鍵と秘密鍵は1対なので、対で使用されなければ、鍵を開けること(元に戻すこと)はできません。

3つ目の技術(P2P)

P2Pとは、Peer-to-Peerの略で、ネットワークシステムの中の1つの技術です。Peer(ピア)とは、ネットワーク上で接続している相手のコンピューターのことです。

P2Pと対比されるもう一つのネットワークシステムが「クライアント・サーバー型」です。

クライアント・サーバー型は、コンピューターがクライアントとサーバーに分けられたものです。

サーバー側コンピューターが中央集権的役割(システムやビッグデータなどの保管場所であり提供する機能)を果たし、クライアント側コンピューターがサーバー側が提供するシステムやビッグデータを利用したり、受け取ったりする機能を果たします。

一方、P2P型は、同格のコンピューター同士のネットワークと言えます。サーバーを介さず、Peerが直接データの送受信ができるようになっているネットワークシステムのことです。

我々が日常的に使っているメールなどは、一見、Peer同士が直接送受信をしているかのように感じますが、サーバーを介して行われています。つまり、クライアント・サーバー型です。

現在、ホームページを見たり、SNSでメッセージを送受信したり、ネットショッピングをしたりしているほとんどが、このクライアント・サーバー型になります。

その点、暗号資産は、P2P型で運用されているため、ユーザー同士が直接暗号資産の送受信ができるようになっています。

まとめ

お分かりいただけたでしょうか?暗号資産(仮想通貨)は、
・ブロックチェーン
・暗号化
・P2P
この3つの革新的技術の産物です。

というか、暗号資産を創造するために、これらの技術が開発されたと言えるのかもしれません。

本記事では、暗号資産初心者のために可能な限りかみ砕いて解説することを心がけていますので、正確な定義や言い回しに比べて多少、十分ではない部分があることをご了承ください。

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